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金融資本主義の変化


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金融資産が膨れ上がったのは1990年代以降で、それまでは金融資産と実体経済は1:1くらいでした。

つまり、借金で発行されたお金はほとんど、使われていたということです。

 

昔の世界中の証券会社と銀行には境目がありました。

グラス・スティーガル法という証券と銀行取引と言うのが世界中で明確に分けられていました。

しかし、1980年代から段階的に骨抜きされてそれがなくなったのが、グラム・リーチ・ブライリー法が制定された1999年です。

昔は銀行のローンと言うのは1対1で、貸し手と借り手が明確でした。

だから、リスクも明確でその貸した人が返せなくなれば、銀行が火傷を負いました。

証券化というのがそれを大きく変えることになりました。

銀行が債券を発行する時に、その債権を証券市場で売買できるようになったのです。

10年ローンで元本がいくら、利払いがいくらというものがある程度キャッシュフローが予測され、それを現在価値に直して、証券化して売ることできるようになったのです。

それはもちろん、その人が払えるどれくらいのデフォルトになるかの確率も含めて、売ります。

 

そして、どの債権が優良か不良かを格付け会社が格付けし、格付け会社によって債権の値段が決まってきます

銀行側からしてみれば、貸して返してくれるという見込みがないものでも格付け会社に上手く格付けを付けて貰って、売ればそれは直ぐに現金化が出来、利益を得ることが出来ます。

その証券化を業界全体でやりました。

CDS(Credit Default Swap:債券に対する保険)や、CDO(Collateralized Debt Obligation:債務担保証券)などの金融商品を作り出して、不良債権を集めて、それをくっつけて、格付け会社が格付けをしました。

 

日本でもそうです。

日本の会社は元々、簿価会計制度(帳簿上、100円で買った株は株価が1000円になったときに売ったら900円が初めて現実化する)でしたが、1990年代から時価会計制度を取るようになりました。

時価会計制度とは例えば、1000円で株を買って、それが2000円に上がったら、値洗い(リバリュー、時価で再評価)して、その株を売って、利益を実現していないのにも関わらず、2000円と帳簿につけてしまいます。

そうすると、その株を持っている会社の株も上がり、その会社の株を持っている別の会社の簿価を上がります。

ないものを作り出して、実にしていないものをどんどん実にしたように会計に入れてしまうと、お金は膨れ上がります。

 

結局やり過ぎて、リーマンショック前夜には世界GDPの3.5倍以上の世界金融資産がありました。

現在、世界GDPは約76兆ドルでそれに対して、毎年のクレディ・スイス/ウェルスレポート(金融資産レポート)の世界の個人金融資産が280兆ドルです。

つまり、個人金融資産だけで世界GDPの約4倍あるのです。

デリバティブ(金融派生商品)という金融工学を駆使した金融商品、例えば、今ドル円が110円だとすると、100円で1000万ドルを売る権利を買えます(オプション)。

例えば、6ヵ月間100円でドルを売れる金融商品があるとします。

為替レートが110円の時は損しますが、もしドル円のレートが90円まで下がっても、100円で売れます。

輸出業者がそういうオプションを買って、ヘッジします。

6ヵ月間の内、110円が100円になる可能性を計算して、プレミアム(オプションの代金)の1000万ドルは元本ですが、その権利を買う値段を計算し、それを取引します。

その権利も金融資産です。

110円の時は大して価値はありませんが、もし90円になったら、物凄い資産になります。

現在、BIS発表の未決済デリバティブの元本総額は542兆ドルあります。

つまり、個人金融資産280兆ドルの倍のデリバティブが世の中にあるということです。

何がどうなっているのかさっぱり分かりませんがお金、借金、金融資産、金融債務がとにかくいっぱいになっています。

 

返す当てもないものにはとにかく売ってしまえば、利益が出ることをアメリカの金融業界全体にやって、返せない人達にどんどん貸しつけて、それで発行したお金で例えば、家を買わせます。

リーマンショックの原因となったサブプライムローンは普通はお金を借りられないような人達にお金を貸して、その債権を投資家に売ったのです。

ただ、売るのではなく信用が低い人達に不動産担保ローンを付けて、貸して、不良債権をいっぱい集めて、松竹梅に別けて、まとめて一つの金融商品にします。

不良債権でも皆がデフォルトになるのではないという前提のもとにそのリスク具合によって松竹梅をつけて、松つけたものにはトリプルAみたいな格付けを格付け会社がつけてそれを売ります。

屑債券をいっぱい集めて、金融工学を駆使してパッケージにして、屑債券の一番良いのにトリプルAをつけて、それを市場で売って、それをさらに売っての繰り返しで、お金を返せないような人達に散々お金を貸し続けました。

しかし、それで大儲けしていた人達がある日突然、お金を返せない人達が出て来た結果、リーマン・ブラザーズが破綻しました。

 

それが逆回しになるとどんどん破綻の連鎖に入ってしまうので、2008年にFRBが借金で公的資金を注入して、何とか世界的な金融破綻を止めました。

その公的資金は納税者に広く薄く押し付けました。

作られた借金は、全部なしにすると全て消えてしまうので、FRBがお金を作り出して、大手銀行にお金を注入して、結局、その注入したお金は政府の借金で作り出されているので、全部納税者に押し付けられたのです。

リーマンショックから10年経って、サブプライムローン問題、当時以上の借金がアメリカにはあり、何も変わっていません。

 

借金でお金を発行する仕組みをしている限り、いつまた金融危機が起きてもおかしくないのです。

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