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メモリーズ ~第十三章 告白~


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第十三章 告白

 

今日の天気は快晴だ。

あの中学の頃の一度目の大きなチャンスだった彼女と偶然出くわしたコンビニの日の天気に似ている。

あの時も快晴だった。

もう、あの日と同じ過ちは繰り返さない。

今日は絶対にする。

俺はそう覚悟を決めた。

 

やはり、あのネックレスからは織村加奈の指紋が検出された。

マルワフーズに事情を説明して、社員に織村加奈の持ち物を彼女に無断で持って来てくれた。

その指紋を照合したら、やはりそうだった。

ネックレスの破損分もあの金属と一致した。

警察はもう逮捕状も用意しているらしい。

 

今は朝の六時半だ。

本来なら今の時間帯はまだ、ベッドの上で就寝中にぐちゃくちゃになった布団に体を包んでいる。

起きる決心が付かずに後三十分間のゴロゴロする時間をじっくり味わっているのに。

 

今日は適当に昨日会社に理由を言って、午前中は欠勤の許しを貰った。

十分経った。

彼女はまだ現れない。

今の時刻は六時四十分だ。

少し、早く来過ぎたのか?

俺は今、彼女の事しか頭にない。

 

彼女は今何を考えているのだろう?

焦っていないのか?

冷静なのか?

今日も彼を憎んでいるのか?

計画を実行する事はもう絶対なのか?

それとも止めようと一瞬でも頭の中に過っているのか?

そう想像した次の瞬間、俺の体が固まった。

三十メートル先の向こうから女神がやって来てしまった。

やはり、今日の出社は早かった。

今日も白のブラウスにグレーのタイトスーツを合わせた大人の女の格好だ。

いつも以上に綺麗だ。

とてもこれから、殺人を犯す人間だとは思えない。

 

手に汗が湿る。

俺は呼吸を整えて、勇気を出して一歩足を前に出した。

一歩一歩、確実に足を進めた。

周りには警察が見張っている。

まるで 見世物だ。

勿論、警察には俺の個人的な事情を話してはいない。

あの後「折角、事件をここまで自分の力で追ったのだから、最後は俺にやらせて下さい」と方便を言った。

「長年出来なかった初恋の相手に声が掛けたいから、お願いします」なんて言えるか。

 

今から初めて、彼女に話し掛ける。八年越しの夢が叶いそうだ。俺は彼女との距離を詰める。

・・・・・もう直ぐだ。

もう直ぐで今後の彼女の人生に大きく左右する事が起こる。

それを起こすのは俺自身だ。

しかし、もう躊躇いはない。

それが例え彼女から恨まれようとも。

一歩間違えば、俺が彼女の立場という事も有り得た。

 

俺は更に彼女との距離を詰める。

彼女との距離はもうゼロに近い。

手を伸ばせば届きそうだ。

俺は気付かれないように慎重に後ろに付けた。

 

もう彼女は目の前にいる。

人生でこれほど緊張した事はない。

心臓が爆発しそうだ。

体温が上昇してしまった体にそよ風当たり、妙に心地良い。

哀歌を君に捧げようではないか。

 

彼女の肩に手を置いた。

初めて触れる彼女の体。

出来ればこんな形で触れたくなかった。

妙に温かい。

彼女の肩が反応した。

彼女と自分が重なった。

何年も出来なかった。

これが恐らくラストチャンスだ。

やっと出来そうだ。

俺は今、初恋相手に八年越しの告白をする。 

 

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